想い
じいちゃん。もう何年経つかな。亡くなる2ヶ月前にお見舞いに行ったときね、なんか、なんか、帰りたくなくて、でも帰らなきゃならない時間になって、そしたら、じいちゃんが、ベッドに横になってたじいちゃんが、こっち向いてさ、私の名前を呼んだんだよね。5歳のころと同じ呼び方で呼んだの。「ん?」って返事をしたら、じいちゃんさ「じぃじ大丈夫だ」って言ったんだよ。あれがさ、忘れられないのさ。でもさ、じいちゃんはウソつかないから、 「また、来るね」って帰って、すぐに2ヶ月後の飛行機とって、今度は妹と帰ろうとしたのに、帰る日の1週間まえだったかな。妹ともうすぐだねって話してた頃、パパから電話でね、聞いたんだ。じいちゃんが亡くなったからって。パパとママは、無理して帰ってこんでいいからな、好きにしなって言ったけど、じいちゃんのこと送りに帰らないなんて考えなかったよ。妹とね、笑ったの。「じいちゃんは、私達が何度も行ったりきたりしないように、タイミングはかったのかね」って。「じいちゃんらしい」って。声が聞こえる気がしたよ、「なんもなんべんも飛行機代もったいないべ!1回でいい!」ってね。言いそう!って今でも妹と笑うんだ。じいちゃんのひ孫は3歳になったよ。一番会わせたかったな。じいちゃんが死ぬって思わなかったんだ。よくわかんないけど、いなくなるって思わなかったんだ。医者嫌いで薬嫌いで、病院にいたら長く生きられたかもしれないけど、ばあちゃんも大変だったけど、最後にあったときのじいちゃんは、なんかいつもどおりで、嬉しかったのを覚えてるよ。病室なんて似合わないから。柵付きのベッドに寝てたじいちゃんは、定位置に座って、ばあちゃんが育てる観葉植物があって、小さなファミコン用のテレビの前で晩酌してたじいちゃんと重なって見えたんだ。結婚式間に合わなくてごめんなさい。今だって挙げてないけどね。ひ孫遅くなってごめんなさい。こないだ、久しぶりに連れて帰って、ばあちゃんちに行って、壁にあるじいちゃんの写真を見たら、やっぱり、泣けてきちゃって。じいちゃんがどれだけ、私達を思ってくれてたか、毎日うちに来て雪はねして、玄関から「じーじ帰るぞ」って声かけてくれたとき、なんで送りに行かなかったんだろう。子供ってさ、ひどいもんだね。 食べれないおかずを「どれ、じーじによこせ」ってニコニコしながら食べてくれたじいちゃんともっと話せばよかった。今の仕事に就いたとき、「お前はじーじの家系だからそういう仕事するんだな、じーじの孫だな」ってニコニコしながら話してたの忘れられないから、今の仕事辞められないよ。私の息子のことを目を細めてみてるパパとママを見て、いつも味方してくれたじいちゃんのことが、私は大好きなんだなーって実感しています。大好きです。愛してます。「なーによ」って笑われそうだけど、じいちゃんみたくなりたい。私も歳を重ねて天国にいったら、じいちゃんにいろんなこと話したいな。大人になってから、もっと話したかったな。またね。また遊びに行くね。ときどきは、ばあちゃんに会いに行ってね。
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想い
じいちゃん。もうそっちに行って19年もたつね。ばあちゃんには会ったかな?ばあちゃんがね、独りで玄関のところで足を骨折した時『じいちゃん助けて』って祈ってたら民生委員の人が、たまたま通りかかって救急で病院に運ばれたって聞いたけど、やっぱり、じいちゃんが助けたの?いや助けてくれたんだね。 俺が小さい時から本当に、可愛いがってくれたね。弟がガチャガチャで取ったものが自分も欲しいって言ったら、それが出るまでガチャガチャを回して、20個のカプセルを店の人が持って来た袋にいれながら、子供ながらに『もう、いいよ。じいちゃん』って言った自分に 『これが欲しいんだろ?』って一番上のカプセルを指さしてさ。結局、空になるまでガチャガチャ回したね。家に帰ったら、弟には自分も欲しいって泣かれて、母ちゃんには叱られて、ほとんど弟にあげる羽目になったね。別に悔しくはなかったよ。だって最初に欲しいって言ってた物よりたくさん良いものがあったんだよね。 いつも親とかには、『お兄ちゃんなんだから、我慢しなさい』って言われてたけど、じいちゃんは長男の俺をいつも特別扱いしてくれてたね。最後のお年玉なんてさ、ポチ袋パンパンだったから千円札が入ってれのかと思ったら、万札って・・・。しかも額が・・・。ありがとね。でも今思うとあれは入れすぎだったよ。あそこで弟と差をつけなくても良かったのに。差分は、弟に俺から渡したけどね。俺が他人をひがんだりしないのは、じいちゃんの育て方のおかげかな? 弟は結婚して、子供が3人、俺もおじちゃんになったよ。じいちゃんみたいに甥っ子を可愛いがってるつもりだけど、たまに弟の嫁さんに『お義兄さん、あんまり買い与えないでください』って怒られるんだよね。でも『俺のじいちゃんは、こんなもんじゃなかったよ!』って心の中で叫びつつ、『ごめんなさい』と言ってる。 じいちゃん、葬式に行けなくてごめん。 行かなかった事、行かなかった理由。 実は当時の彼女の誕生日がじいちゃんの命日なんだ。彼女の誕生日を祝うって約束してて、言えなくて、 19年間ずっと、ずっと、ずっと後悔してる。多分これからもずっと。 俺も結婚して5年。 嫁さんが入院して手術する時も、じいちゃんに助けてって祈ってたね。 助けてくれてありがとう。 本当にありがとう。 じいちゃんの命日忘れないよ。 俺の嫁さんの誕生日が じいちゃんの命日なんだよ。 じいちゃんと過ごした19年。 嫁さんと過ごした19年。 じいちゃんとばあちゃんには 敵わないけど 良い夫婦になれたらなって。 じいちゃん ありがとう。
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