できれば再び会った時に、あなたがあなた達の誰であったがが、私にわかるようにしてください
あなた達を、母が偶然近所のスーパーですくってきて持ち帰ってきた時のことを憶えていますか?
正確に言うと、すくったのではなく、すくえなかったのでタダのオマケとして貰われてきたのです。小さいお子さん達がはしゃいでいる中、自分も孫にあげたい気持ちが募って、金魚すくいに交じってしまったのだそうです。
孫はまだいませんでしたが、子供好きな母が疑似体験をしたかったのでしょうね。
そしてその中の一匹があなたでした。
しばらくして、近所のホームセンターで一目ぼれして買って帰った子もいました。
偶然なのか必然なのか、それからは金魚とは思えぬほどの長い年月を一緒に過ごしました。
そしてあなた達が寿命を迎えてなくなってずいぶん時が経ってしまっても、私の夢の中や、そばにいることにふと気が付いたりして少し驚いています。” “ あなた達の初めての印象は、少し神経質で臆病。
その原因は、飼い主となった私が初めての経験で、水道水のカルキ抜きに薬品を使うことをためらい、外に汲み置いた水を水槽に入れたことです。
なかなかカルキは抜けきらず、気分悪くなってしまったあなたは、人間に対する不信感を募らせているのが明らかにわかりました。
陽気なあの子が先に旅立つこととなり、あなた達を集めて何か伝えた遺言のような出来事は、私の勝手な推測ですが、生まれ変わったら今の飼い主にまた飼われようと思っている、皆はどうする?だと思っています。
もしそれが本当だとしたら、今度は寿命が長く、人間が触って可愛がれる生き物になってください。水の中は触りたくても触れず大変でしたよ…お互いに!
そして、できれば再び会った時に、あなたがあなた達の誰であったがが、私にわかるようにしてください。しぐさや目つき、雰囲気で大体わかりますが。
きっと、たぶん再び会うことになるのは、あなた達のうちあの子だと思うのですが、今度は丈夫で長生きしてくださいね。
それと、ありがとう…。最後の一匹となり、死んじゃってからずっと何年も経ってたのに、私のピンチのような時に現れてくれて。
その時、一瞬あなたの穏やかで深い愛に包まれたような気がしました。
金魚なだけに何もできないのかも知れないという人もあり、その通りかもしれませんが、私はとても驚きを感じながら嬉しかったです。そのことは美しくて複雑な気持ちの思い出となっています。
それ以後はもう皆とはずっとお会いしていませんが、ごくたまに里帰りしているような時はちょっとだけ感じています。
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